【2024年最新】中国・香港出張レポート①



昨年より、これまで長らく実施が難しかった海外出張を再開されたという方も多いのではないでしょうか?
当社でも、2023年7月~8月にかけてヨーロッパ、台湾のサプライヤー訪問を再開致しましたが、直近では先月1月に中国と香港を訪問し、工場見学や拡販協力について打ち合わせを行ってきました。既に取引があるメーカーだけでなく、コロナ禍に新たにコンタクトを取り始めていたサプライヤー候補の調査も行いましたので、各社より得られた生の情報から一部ではありますがご紹介致します。

※レポート②はこちら

Laird Thermal Systems (ペルチェモジュール、アセンブリ、チラー)

当社が国内唯一の正規代理店を務めているLaird Thermal Systems (レアード サーマル システムズ)は、日頃から頻繁に連絡を取り合っており、数ヶ月に一度のペースで来社してもらい、直接の打ち合わせやお客様への同行訪問を行っている非常に関係性の深いメーカーです。 深圳市宝安区にある深圳工場へのこちらからの訪問は2019年秋を最後に、コロナ禍を経て数年ぶりの再訪となりました。

この次にご紹介するLaird Performance Materials社とは2019年まで同じ法人(旧Laird Technologies)だったこともあり、現在も建屋は隣り合わせとなっていました。ペルチェモジュールやアセンブリ品のラインを確認した他、信頼性試験設備やオフィスの見学を行いました。少々手狭な印象ではあるものの、ISO 9001:2015の他、IATF 16949:2016を取得している工場ということもあり、管理はしっかり行われています。今回はアメリカやヨーロッパのチームもこの深圳拠点を訪れるということで、拡販方針の擦り合わせや技術面でのフィードバック等も行うことができました。

Laird Performance Materials (熱伝導材料、ノイズ対策部品)

同じく当社で国内正規代理店を務めているLaird Performance Materials (レアード パフォーマンス マテリアルズ) の深圳工場は、2000年に設立されたメーカー最大の製造拠点です。
門には防犯ゲートが設置されている他、守衛所ではQRコードを読み取り、訪問者情報の登録と建屋内での注意事項の確認を行います。この一連のセキュリティ対策は、2021年にデュポングループの一員となったことをきっかけに強化されたそうです。また、中国国内で革新的な製造体制を実現している工場に与えられる認証である 「Intelligent Manufacturing Maturity」で、広大な中国でも20工場程度しか存在しないレベル3の認定を受けています。2020年には徹底したコロナ対策が評価され、最も早く操業再開を許可された工場のうちの一つです。

・・・と、メーカーからもコロナ禍のオンライン会議等でそのように聞いていたのですが、今回実際に見学を行い、ようやくをそれをこの目で見て実感することができました。製造現場には数名のオペレーターがいるのみでほとんどの工程が自動化され、センサで確認した不具合をAIを活用して判定する等、非常に洗練され整った印象です。試験設備も充実しており、RoHS分析も含め自社で行うことができるため、私たちの訪問時にも顧客が訪れて一緒に試験を行っていました。

KING-CORD (AC電源ケーブル、アダプタ、コネクタ)

KING-CORD (キングコード) は台湾の電源コードメーカーで、当社では10年程前から取り扱っています。こちらも深圳に工場があり、同じく数年ぶりの訪問だったため、工場見学と拡販協力について打ち合わせを行いました。

建屋は少し古びた印象があるものの、 SONYやCanonのグリーンパートナーとなっていることもあり、工場内には区画線が引かれ、資材や製品もきちんとパレット上で保管されていました。現在、これまで購入していた一部部材の内製化に取り組んでいるとのことで、新たな設備の導入やレイアウト変更を行っている最中でした。
KING-CORDでは設備投資を重視しており、信頼性試験も自社で実施しています。中でも印象的だったのは、耐トラッキング性試験機です。日本以外の顧客からは基本的には要求がなく、日本の顧客のためにこの装置を用意して試験を行っているそうです。

現在、メーカーWEBサイトが少々重く、表示までに時間が掛かってしまうため、当社でお手伝いできることがありましたら適宜ご案内させていただきますのでお気軽にご相談下さい。


2月21日現在、そろそろ免除を・・と再開検討の気配はあるものの、現時点で日本人が中国へ渡航するためにはビザが必要です。今回の出張ではこのビザ取得に始まり、現地でも過去の出張とは大きく変化していた点も多く、なかなかに苦労した場面もありました。そのこぼれ話についても、またどこかでご紹介予定です・・!