返金、返品についてはどうなの?



前回書きましたが、品質に問題がある製品が発送されてくることはあります。

何度か納入されて使用実績があって本来は特性的な問題は無い製品の場合は、単純に不具合品を送り返して、
もう一度作り直して再納入してもらったり、修理出来る場合は修理して再納入してもらいます。
この場合は再納入までの納期がかかるもののあまり大きな問題にはならず返金という話にもならないことが多いのですが、
問題は試作品は問題なかったのに量産になると品質が安定しないケースなどです。
こういったケースの場合、メーカーはそもそもカタログやデータシート上の
スペックを満たす製品を安定的に作ることが出来ないことが後になってから判明したりするので、
そうなるとまた不安定な品質の製品を再納入してもらっても意味がないので、
納品された製品は返品してお金を戻してもらうということになります。

こういうときにアジアの中堅メーカーはちゃんとお金を返してくれるのか、という懸念を感じられる方も多いと思いますが、
当社のこれまでの経験の範囲ではちゃんと返金してくれます。

ただし、この点が問題なのですが、メーカーが品質の問題に合意した場合です。
多くのケースで問題になるのが、例えば1000個購入して最初の100個を使ってみたら10個の不具合が判明した場合などです。
この場合、メーカーは不具合が確認された10個の交換(または返金)には快く応じますが、
このような割合で不具合が混入されるような製品(生産管理をされているもの)は使えないという理由で
全数返品(+返金)を要望されるケースではなかなかそのご要望にお応えできないというのが実情です。

メーカーとしてはあくまで不良品の返品交換(または返金)には責任を持って応じるというスタンスで、
不良であることが確認されていない製品については良品とみなされるケースがほとんどです。
なので、こういったメーカーの製品を採用される際は、
ご検討時のサンプルの評価を通常以上に念入りに行なっていただくこと、
不具合が発生した場合の対応を取り決めしておくことをおすすめ致します。

なお、通常のメーカー生産品と別で、当社ではいわゆる流通在庫品を香港や中国の商社から購入して、
納期トラブルの対応や生産中止になっている部品の調達のお手伝いをさせていただくこともあります。

このような流通在庫品はやはり品質トラブルの発生確率が高いので、
事前に返品(返金)の条件を明確に定めてから取り引きを始めます。
また、当社では少額から少しずつ取り引きを始めて、金額の大きい取り引きは信頼できる仕入先に限っています。
なのでいざ品質不良が判明した場合の返品、返金の対応はスムーズに進むことが殆どです。

ただし、取引実績があまりないところ、またはネットで見つけて初めて注文するような会社の場合は
問題が発生した途端連絡が取れなくなったり、それどころか注文書を送ってお金を送った途端に
連絡が取れなくなるようなケースもありました。
なので、スポット的なビジネスでトラブルが発生したときの対応は相手先次第で全く変わってしまうので、
信頼できるルートでの取り引きに限定すること、
どうしても新しいところと取引をする場合は少額から少しずつ始めることをおすすめ致します。