先日ドイツのミュンヘンで開催されたElectronica(エレクトロニカ)を訪問してきました!会場の様子をご紹介します。
Electronicaとは?
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概要と開催規模
ドイツ南部のミュンヘンで開催される世界有数の見本市です。
半導体から部品、アセンブリやシステムまで、エレクトロニクスに関連した技術や製品、ソリューションが多岐に亘って紹介されます。開催は二年に一度で、今年は11月12日~15日までの4日間の日程で開催されました。全18ホールのうち16ホールを使用して開催され、残り2ホールではSEMICON Europaが同時開催されていました。
来場者数等は、先週開催されたばかりで今回分の集計データはまだ本日(11月20日)時点では公開されていませんでしたが、前回2022年のデータは下記の通りでした。今回の開催規模についてはまだ速報レベルではあるものの、約8万人とのことです。
2022年
出展社数 | 2,140社 |
来場者数 | 69,783人 |
訪問者(国) | 102ヵ国 |
展示会場 | 150,000㎡ |
Messe München GmbH “Building on success—electronica 2022”. electronica.|https://electronica.de/en/trade-fair/exhibitors/good-reasons-to-exhibit/
会場の様子
Phoenix ContactやWeidmüller、地元ミュンヘンに本社を構えるSIEMENS、Rohde & Schwarzといった著名なドイツメーカーはもちろん、世界各国から規模の大小を問わず数多くの企業が出展していました。多くの欧米メーカーで特徴的だったのは、商材そのものの展示はごく僅かで、1ブースあたりのスペースを大きく取って可能な限りの商談スペースを設けていたことです。背の低いソファ席やドリンクカウンターの周りでくつろぎながら、コーヒーを片手にあちこちで商談が行われていました。(中にはビールサーバーを設置しているブースも・・!)また、レーシングゲームやリズムゲーム、VAR等で体験型のPRを行う企業も複数ありました。
全体的にはヨーロッパメーカーが多い中、想像以上にアジアメーカーの存在感も大きく、感覚的には全体の3割程度は中国や台湾メーカーによるものだったように感じました。
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中国、台湾に次いで多い印象だったのはインドメーカーでしょうか。私たちも面白そうな抵抗器やリレーのメーカーを見つけることができ、今後の協力体制について協議を進めるための顔合わせの場とすることができました。アジア以外にも、エジプトやモロッコ、ブルガリアやセルビア、ニュージーランド等、日本国内の展示会ではなかなか見かけないような国からの出展もありました。
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一番歩いたのは 28,000歩/日!
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最小検出距離が0.05mで死角がとても小さく、広範囲を認識しながら動作も滑らか
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各ブースの様子
ドイツメーカー
最初はやはり地元メーカーを紹介すべきでしょう・・!ということで、今回ブースを訪問した中から、しっかり話をすることができたメーカーや、比較的写真を撮れていたものをご紹介します。
Fischer Elektronikは、カスタムでのケースやヒートシンクを得意としており、その他にも熱伝導材料等を取り扱っているメーカーです。「Made in Germany」を掲げ、全ての製品を同じ拠点で製造しています。また、原材料が無くならない限りEOLにしないという方針です。今回の展示会では、以前まで長く当社の対応をしてもらっていた担当者とも久しぶりに再会することができました。(直近では2023年に訪問し、工場見学を実施)
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もう一社は、老舗のヒューズメーカーであるSIBAです。
1946年の創業以来、こちらも「Made in Germany」を掲げており、きちんと整えられ管理された工場でドイツ品質の製造を行っています。即断タイプ、低ドロップ、長寿命、遮断性が特徴です。Fischer Elektronikと同じく2023年に工場見学を実施しました。今回の展示会でも改めて打ち合わせを行うことができたので、これから少しずつご紹介していきたいと思います。
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最後のbinderは、コネクタメーカーです。ケーブルまたはフランジタイプ、2~24ピンに対応しています。(※シリーズによる)
IP68/IP69のステンレス製コネクタや、柔軟性、耐摩耗性、耐薬品性に優れたケーブルを使用したシリーズ等、医療以外にも重機械や食品産業、交通輸送、計測や制御技術の分野等でも豊富なラインナップで幅広く採用されています。今回ブースでは、捻るだけでロックがかかり容易に脱着できる医療機器向けプラスチックコネクタや、世界最小の丸形コネクタを見せてもらいました。
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(ちなみに、ドイツでは右手に結婚指輪をするのが一般的)
お馴染みの取扱いメーカーも多数出展!
欧米メーカーはもちろん、前述の通りアジアメーカーも数多く出展しており、当社で取り扱っているお馴染みのメーカーともあちこちで顔を合わせることができました。
一部とはなりますが、ブースの様子や展示内容を写真付きでご紹介致します。
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振り返り
速報ということで、ざっくりとした抜き出しにはなりましたが、なんとなくでも雰囲気を掴んでいただけましたでしょうか。最先端の情報や製品が集まる場所ということでしたが、あまりに広いため、予めテーマを決めて見て回ることがポイントのように感じました。また今後もこうして海外の展示会等での情報もご提供できればと考えております。
※最後のおまけ:会場での走り書きメモより
- Allegro MicroSystemsによる高度なセンシング製品の発表:自動車、産業、コンシューマー向けアプリケーションでのシステムコストを削減し、バッテリー寿命を延ばすように設計された誘導型位置センサーやマイクロパワー磁気スイッチ、ラッチが紹介された。
- NXPは、第2世代6軸センサー(IMU)を発表:意思決定アルゴリズムにモーションデータを提供し、車両の動きをリアルタイムで検出することにより、先進運転支援 (ADAS) および安全システムを強化できる製品として紹介。
- imecによる基調講演:AIと車両の安全性のためのチップレット統合のイノベーションの推進について