一つ前の記事(※こちら)で紹介した通り、今年1月に実施した中国、香港での現地調査で訪問したサプライヤー情報の一部や苦労したポイントについてご紹介しています。
Gdstime (ACファン、DCファン)
コロナ禍にいただいた引き合いがきっかけでコンタクトを取り始めたGdstimeは、深圳にあるファンメーカーです。日本からの訪問は当社が初めてとのことで、工場内を見学させてもらった他、管理体制やビジネスの状況について色々と質問をさせてもらいました。
工場では、外部から購入した部品を組み立てており、ECサイトを中心に販売しているそうです。自社での工程がほとんど無いため、工場内も簡素な印象でした。今後は特にヨーロッパへの販売を強化したいということで、CEとRoHSに対応した部品を使用して組み立てを行っているそうです。
Kingtronics (コンデンサ、ダイオード、トランジスタ等)
Kingtronicsは、コンデンサ等の受動部品、ダイオードやトランジスタ等の能動部品を製造する中国メーカーです。スピーカー向けの増幅器やエアコン等の白物家電、LED照明が主要なアプリケーションです。
彼らは中国国内、特に広東省内での展示会を中心に出展しており、日本のお客様の間ではそれほど知名度は高くないメーカーかとは思いますが、当社では2016年より取引を開始し、継続してご注文いただいている案件も含め10年近くサポートをしています。今回は、最近新しく当社を担当してもらうことになった担当者との顔合わせのために東莞オフィスを訪問し、メーカーの現在の状況の確認や今後の拡販に向けたディスカッションを行いました。
彼らの最大の顧客はポーランド企業だそうですが、WEBサイトにはなぜかブラジル国旗が掲げられていて、ずっと不思議に思っていた旨を伝えたところ、単にブラジルに代理店があるというのが理由だそうです。(私の入社以来、数年抱えていた謎が解けた瞬間でした・・!)
今回は日程の都合もあり工場への訪問は叶いませんでしたが、SMDタイプの方がラジアルリードタイプよりも短納期で提供できる等、工場のキャパについても簡単に共有してもらいました。可能な限り価格や納期の調整を行ってくれる、親切で心強いメーカーです。
Hunston (ブザー、スピーカー)
Hunstonもここ数年で取扱いを始めたメーカーで、今回が初の訪問です。香港の本社オフィスで互いの会社状況の共有や今後の拡販協力についてディスカッションを行いました。当社では他にも同様の音響部品メーカーを取り扱っていますが、それらのメーカーについても詳しく把握しており、業界事情に精通している印象でした。
工場は上海近くの常州という街にあり、周辺には原材料メーカーが集まっているそうです。最大の顧客はイタリア企業で、次いで日本、そして台湾が主要なビジネスとなっているとのことでした。価格よりも品質面で評価してもらいたいと話をしていましたが、実際にこれまでHunston社のサンプルを見ていただいたお客様には、その品質については「良い意味で意外だった!」と言っていただいたことがありました。日本ではそれほど知名度が高くないメーカーではありますが、当社で扱うこの製品群の中では一、二を争う優良メーカーだと感じています。次回は是非工場にも訪問してみたいと思います。
準備段階で苦労したポイント
現時点で日本人が中国へ渡航するためにはビザが必要です。 そろそろ免除を・・と再開検討がされているようなニュースを時々目にしますが、まだ具体的な時期は未定のようです。昨夏、ヨーロッパ出張に行った際は極端な話、パスポートと航空券さえあれば行くことができましたが、中国への渡航は余裕を持った準備を強くおすすめします・・!実際、ビザの申請をしに行った都内の申請センターでは、不備を指摘されたり申請書類が足りない様子の人も見受けられました。
ビザなし渡航の再開目途は立っていない中でも、申請時に必要な内容が微妙に変わっていることが時折あるようで、今回は旅行代理店のサポートを受けることにして正解でした。
渡航後に大変だったポイント
一緒に渡航したスタッフが、コロナ前/後で大きく変わったと話していたのが、決済方法でした。事前に調べた際、どうやら日本国内からでもAli Payを準備できるらしい、ということでトライしてみたものの、初回登録の段階で入力ミスがあったようで、即刻アカウントを凍結されてしまい、アカウントはあるのに使えないという状態。おまけにサポートセンターへの電話もなぜか繋がらない・・・。「現金があれば大丈夫」という先輩の意見を信じて渡航したのですが、やはりこれが一番の問題となりました。
香港では、時々「CASH ONLY」を掲げる飲食店があるくらいで、日本と同じく国際ブランドのクレジットカードであれば問題なく使うことができますが、中国ではほぼ使えないような印象でした。コード決済やアプリからのモバイルオーダーが主体となっているようで、例えば深圳市内の地下鉄の券売機では、ほとんどの端末で現金が使用できないように投入口が塞がれていました。現金を使えたとしても釣銭の用意がないケースがほとんどでしたが、ものを買うことができただけでも感謝の気持ちが溢れるくらい、本当にこの支払関係では苦労しました。
ちなみに、マクドナルドでは、自分でサイネージ端末で注文~支払いまで済ませるのが主流のようでしたが、有人カウンターでVISA等のクレジットカード決済も可能です。中には、「久しぶりすぎてやり方を忘れていたよ!」という店舗もありましたが・・・笑
この他、タクシーを呼ぶのも全てアプリで行われます。ホテルでタクシーを頼んだ際も、フロントスタッフに内容を伝えたところ、結局アプリで呼び出していたようです。この場合での支払いは、フロントで現金を渡す形で対応してもらうことができました。この通り、中国ではAli PayもしくはWeChat Payはもはや必須で、次に使えるのが現金、最後にクレジットカード・・という状況で、今回の渡航で過去とはすっかり様変わりしていたことが分かったため、次回以降はもっと事前準備をしっかりしていく必要がありそうです。