サーマルインターフェースマテリアル(TIM)について



ペルチェモジュールと放熱器を組み合わせる際に使用する他、基板内での熱対策に使用されるサーマルインターフェースマテリアル(TIM)の使い方や種類について紹介しています。

目次

サーマルインターフェースマテリアル(TIM)とは

発熱体にヒートシンク等の放熱器を取り付ける際、一見平らに見える発熱体および放熱器の表面には若干の歪みや微細な凹凸があります。そのため、直接取り付けようとすると発熱体と放熱器の接触面の間に微細な隙間ができ、接触熱抵抗が高くなってしまうことで熱が移動する際の妨げとなります。

そこで、サーマルインターフェースマテリアル(Thermal Interface Materials:TIM)と呼ばれる熱伝導材料を介して発熱体と放熱器を取り付けることで、サーマルインターフェースマテリアルが発熱体と放熱器の表面の微細な隙間を埋めて接触熱抵抗を低減させ、発熱体からの熱を適切に放熱器に移動させることができるようになります。
シート状のものは熱伝導シート、放熱シートとも呼ばれています。

サーマル インターフェース マテリアルには、様々な種類の製品があります。
使用する場所の状況に応じて、性能、作業性、使用環境、コスト等を考慮し適切に選定する必要があります。

種類

下記でサーマルインターフェースマテリアル(TIM)の種類とそれぞれの特徴についてまとめています。

サーマルグリース

ペースト状の製品です。サーマルコンパウンド、熱伝導グリースとも呼ばれます。
歴史のある製品で、これまで様々な分野で使用されています。流動性があり発熱体および放熱器の凹凸に入り込みやすく、薄く塗布することができ、密着性も高いため熱抵抗を小さくすることができます。リワークも行いやすい製品ですが、作業性には難があります。また、ポンプアウト現象が起こりやすく、成分揮発により性能が劣化する懸念があります。

サーマルパッド

シート状に成型された製品です。サーマルシート、熱伝導シートとも呼ばれます。
形状と性能の安定性が高く、作業性も良いです。大きな段差も吸収が可能であり、リワークも行いやすい製品です。サーマルパッドの性能は荷重に依存します。また、厚みがある製品となるので熱抵抗は高くなります。

フェイズチェンジマテリアル

特定の温度でシート状からペースト状に軟化する製品です。相変化材料(PCM)とも呼ばれます。
サーマルグリースに近い熱抵抗が実現でき、作業性も良いです。軟化した状態で荷重を加えると厚さを薄くすることができます。シート状からペースト状、ペースト状からシート状の変化の過程で、隙間が発生する可能性があります。

サーマルパテ

高い粘性のある流体状の製品です。
流動性が低く、垂れ落ちないので複雑な形状のものに使用することができます。他の種類の製品と比較して、熱抵抗が若干大きくなります。

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